慟哭 – 貫井徳郎 ”慟哭”それが本作品のすべて

連続幼女誘拐事件。様々な困難に立ち向かうものの、行き詰まる捜査。
緊迫の展開と、その先を是非味わってほしい一作。

※ネタバレはありませんので、安心して読んでください。

あらすじ

物語は、1ヶ月前に消息を絶っていた幼女の遺体が発見されるところから始まる。
遺体発見以前に、別の女の子が行方不明となっており、連続した幼女誘拐事件として捜査されることになった。
捜査を任されてたのは、若手ながら昇格を続けてきた佐伯だった。
警察内部の軋轢に耐えつつも、行き詰まる捜査。また、それを批判するマスコミ。
マスコミの関心は彼の私生活にも及ぶ。

幼女誘拐、警察内部の不協和音、また並行し語られる怪しげな宗教。
緊迫の展開の先にあるのは、驚きの、そして悲痛な結末だった。

おすすめポイント

慟哭、それが待っている

慟哭‥悲しみのために、声をあげて激しく泣くこと

(Weblio 辞書より)

物語自体、目覚しく展開が変わる訳ではないですが、どんどん引き込まれていきますね。
結末にまず驚き、そして、重い鈍器を胸に押し付けられるかのようなそんな気持ちにさせられます。
読了後、本の厚み以上の満足感といいますか、余韻に浸れる作品です。

人間模様の描写

警察内の軋轢、または家族関係、怪しげな宗教など、現代にありがちな人間模様が描かれています。

主人公の生い立ちやキャリア・結婚など、様々な権力や圧力を受ける様子。また並行して語られる物語では、宗教にのめり込んでしまう様子が描かれます。
それぞれの心理描写がとても上手いと感じましたね。
自然と物語に引き込まれていきました。

最後に

本作は貫井さんのデビュー作のようですね。
その他作品も多少読んでいますが、まだの作品もあるので読んでいきたいと思います。
本作品はかなりインパクトもあるので、貫井さんの中でもおすすめの作品です。
気になった方は、是非読んでみて下さい。

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